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サキュバス竜宮城 (3) 朝湯
朝、と言っても部屋が明るい訳ではない。
体の中がそう判断しているだけだった。
(厠・・。)用を足したくなった。
人を呼ぼうかと思ったが、好奇心が勝り、襖をそっと開けて部屋を出てみる。
ギョッとしたのは、そこでかしずいている女性がいたからだ。
お雪ではない、お雪よりも若い感じの別の女性だった。
『ご用ですか?』
もしかして、一晩中この場所で控えていたのだろうか。
厠の用を告げると、こちらですと案内してくれた。
途中、廊下から大きい庭が見えた。
昨日の海の中の事は夢だったのではないかと思う程、立派な庭園が広がっている。
このような庭が海中にあるとは思えない。空も白々と明けて来ている。
「ここは海の底なのでしょうか?」
恐る恐る聞くと、女性はにこりと笑うだけで、答えようとしない。
厠の後は、そのまま再び部屋に戻された。
部屋の寝具の上で、寝つけないまま、ただ時間だけが過ぎて行く。
◆
『おはようございます。』
しばらくすると、お雪と名乗った昨日の女性が、部屋にやって来た。
『ゆっくりお休みいただけましたか?』
にこりと笑顔を見せて聞いて来る。
もちろん、悶悶として眠れなかったとは言えない。
『朝のお食事の用意ができました。』
お雪に、再び手を引かれて部屋の外へと連れて行かれる。
案内された場所は、昨晩入った温泉だった。
明るくなって見た感じは、普通の岩場の露天風呂だ。
ただ、綺麗に晴れ上がった淡い水色の空に、太陽が無い。
やっぱり・・。それ以上、あまり考えないようにした。
お湯につかっていると、やはりお雪が靄の向こうからやって来た。
食事を載せた大きな桶もゆっくりと、ひとりでに泳いでやって来る。
白米の御飯に、一汁一菜。昨晩と大きい違いはない。
そして、昨晩と同じく、お雪と名乗った女性が、匙や箸で取っては食べさせてくれる。
しかし、粥ではないからなのか、咀嚼して口移しでは食べさせてくれなかった。
自分が、わずかながら期待をしていた事に、勝手に赤面する。
食事が終わると、桶だけが勝手にお湯の上を漂って、白い靄の中に泳いで消えて行く。
お雪は、そのままニコニコと笑顔を浮かべながら言う。
『お帰りになる前に、主の乙姫様がお礼を申し上げたいとの事です。
申し訳ありませんが、お会いいただく前に、身を清めていただきたいのですが。』
と若干、申し訳無さそうに言う。
さすがにこれだけの丁重なもてなしを受けて、会うのを断る訳にもいかない。
昨日の出迎えの失礼な事も忘れて、言われるまま、身を清める事にした。
岩場にあがると、お雪も白い裸体を恥かしがる様子も無く、後について上がって来た。
こんなに露骨に見せられると、目のやり場に困るのだが、お雪は恥かしがる様子は全く無い。
『身を清めさせていただきます。まずは、背中を流させて下さい。』
お雪は、さも当然かのように言う。
主の乙姫様に会うという事もあり、断る事はできなかった。
何よりも、淡い期待もあり、お雪に背中を流してもらう事にした。
椅子に腰を降ろし、自分でも手ぬぐいで、体に付いた垢を落し始める。
温泉の成分の効果なのか、妙に手ぬぐいの感触がヌルヌルとする。
それでいて、垢がごっそり取れる。
そう言えば、昨日もお湯を上がった後は、肌がツルツルになっていた。
背中にも、ゴシゴシと擦る刺激がある。お雪が、背中を流してくれているのだ。
擦るために、肩にはお雪の手がそっと添えられている。
肩に感じるお雪の柔らかい手の感触。
細い指の形やピンク色の爪の先まで、閉じた目の裏に浮かんでくる。
ゴシゴシとやさしく背中を流されて、どうしても股間が緊張してしまう。
お雪は、気がついているのかいないのか、ゴシゴシと背中を擦り続ける。
背中を這いまわるお雪の手の動きに、体がピクリと動いてしまったことを、
気づかれてしまっただろうか。心臓の鼓動が速く打つ中、背中を洗って貰い続ける。
お雪は、腰や尻に手を添えて、背中をゴシゴシと擦りつづけている。
そして脇腹を掴む様に、その手を添えている。
脇腹に当たる指の感触に、体が勝手にくねる。
「そこは触らないで下さい・・。」
その言葉が喉まで出かかったが、何故か声にならなかった。
お雪の片方の手が脇腹を揉む様に動きながら、もう片方の手の手ぬぐいで、
脇腹を擦り始めている。
自分で体を洗うのは、もうやめてしまっていた。
お雪が体を洗うのにまかせて、ぼうっとしてしまう。
お雪は、脇腹から脇、肩から腕、太ももと次々に洗って行く。
そして、柔らかな反対の側の手も、次第に伸ばして来るのだ。
反対側の柔らかな手が、お湯の効果なのかヌルヌルと体を撫でている。
「はぁ・・・。」
お雪の手の感触に自然と溜息が漏れる。
「あっ。」
小さく声をあげてしまう。
ピト・・。背中にぴったりと、お雪の体が張りついて来た!
柔らかい二つの胸の丘と、滑らかなお雪の腹部の感触まで、はっきりとわかる。
お雪は、後から抱く様に腕を回し、その手は腹や胸を擦り出した。
ゴシゴシ・・。後から抱くように体を洗われて、体が硬直してしまう。
『洗っているだけですから・・・』
お雪は、耳元で言う。
肩には、お雪の小さく尖った顎が乗っている感触がある。
お雪の匂いなのか、潮の香りにまざって甘酸っぱいような匂いがした。
お雪の手が内股を洗いはじめる。自分の息が荒くなっているのがわかる。
お雪の柔らかい体と手の感触に、目をつぶり、うっとりとしてしまう。
ザザー・・。桶に汲んだお湯が、背中から流された。
いつの間に体が離れたのか、お雪がお湯を汲んで背中を流してくれていた。
「はぁ・・・。」
なんとなく期待を裏切られた、残念な気持ちに小さく声を漏らしてしまう。
しかし一方で、いやこれでいいんだと、自分に言い聞かせる。
それでも股間は、やり場なく張り詰めたままだった。
◆
『お召し物は、洗ってそちらに置いてあります。』
お雪が裸のままで言う。
確かに、来る時に来ていた服が綺麗にして置いてあった。
洗ったというよりも、全く同じ物の新品の様に見える程だった。
一体どうなっているんだろう・・。
では、とお雪は一旦どこかへ下がって行ったが、着物を着ている最中に、
自分もちゃんと着物を着て、しずしずと戻って来た。
そのお雪に手を引かれ先ほどの部屋に戻ると、朝の寝具は、既に片付けられている。
『では、乙姫様がお呼びになるまで、しばらくお待ち下さい。』
そう言って、お雪は再び下がっていった。
サキュバス竜宮城 (1) 亀を助けるの巻
サキュバス竜宮城 (2) お雪登場。
サキュバス竜宮城 (3) 朝湯
サキュバス竜宮城 (4) 酒宴
サキュバス竜宮城 (5) お福
サキュバス竜宮城 (6) み月
体の中がそう判断しているだけだった。
(厠・・。)用を足したくなった。
人を呼ぼうかと思ったが、好奇心が勝り、襖をそっと開けて部屋を出てみる。
ギョッとしたのは、そこでかしずいている女性がいたからだ。
お雪ではない、お雪よりも若い感じの別の女性だった。
『ご用ですか?』
もしかして、一晩中この場所で控えていたのだろうか。
厠の用を告げると、こちらですと案内してくれた。
途中、廊下から大きい庭が見えた。
昨日の海の中の事は夢だったのではないかと思う程、立派な庭園が広がっている。
このような庭が海中にあるとは思えない。空も白々と明けて来ている。
「ここは海の底なのでしょうか?」
恐る恐る聞くと、女性はにこりと笑うだけで、答えようとしない。
厠の後は、そのまま再び部屋に戻された。
部屋の寝具の上で、寝つけないまま、ただ時間だけが過ぎて行く。
◆
『おはようございます。』
しばらくすると、お雪と名乗った昨日の女性が、部屋にやって来た。
『ゆっくりお休みいただけましたか?』
にこりと笑顔を見せて聞いて来る。
もちろん、悶悶として眠れなかったとは言えない。
『朝のお食事の用意ができました。』
お雪に、再び手を引かれて部屋の外へと連れて行かれる。
案内された場所は、昨晩入った温泉だった。
明るくなって見た感じは、普通の岩場の露天風呂だ。
ただ、綺麗に晴れ上がった淡い水色の空に、太陽が無い。
やっぱり・・。それ以上、あまり考えないようにした。
お湯につかっていると、やはりお雪が靄の向こうからやって来た。
食事を載せた大きな桶もゆっくりと、ひとりでに泳いでやって来る。
白米の御飯に、一汁一菜。昨晩と大きい違いはない。
そして、昨晩と同じく、お雪と名乗った女性が、匙や箸で取っては食べさせてくれる。
しかし、粥ではないからなのか、咀嚼して口移しでは食べさせてくれなかった。
自分が、わずかながら期待をしていた事に、勝手に赤面する。
食事が終わると、桶だけが勝手にお湯の上を漂って、白い靄の中に泳いで消えて行く。
お雪は、そのままニコニコと笑顔を浮かべながら言う。
『お帰りになる前に、主の乙姫様がお礼を申し上げたいとの事です。
申し訳ありませんが、お会いいただく前に、身を清めていただきたいのですが。』
と若干、申し訳無さそうに言う。
さすがにこれだけの丁重なもてなしを受けて、会うのを断る訳にもいかない。
昨日の出迎えの失礼な事も忘れて、言われるまま、身を清める事にした。
岩場にあがると、お雪も白い裸体を恥かしがる様子も無く、後について上がって来た。
こんなに露骨に見せられると、目のやり場に困るのだが、お雪は恥かしがる様子は全く無い。
『身を清めさせていただきます。まずは、背中を流させて下さい。』
お雪は、さも当然かのように言う。
主の乙姫様に会うという事もあり、断る事はできなかった。
何よりも、淡い期待もあり、お雪に背中を流してもらう事にした。
椅子に腰を降ろし、自分でも手ぬぐいで、体に付いた垢を落し始める。
温泉の成分の効果なのか、妙に手ぬぐいの感触がヌルヌルとする。
それでいて、垢がごっそり取れる。
そう言えば、昨日もお湯を上がった後は、肌がツルツルになっていた。
背中にも、ゴシゴシと擦る刺激がある。お雪が、背中を流してくれているのだ。
擦るために、肩にはお雪の手がそっと添えられている。
肩に感じるお雪の柔らかい手の感触。
細い指の形やピンク色の爪の先まで、閉じた目の裏に浮かんでくる。
ゴシゴシとやさしく背中を流されて、どうしても股間が緊張してしまう。
お雪は、気がついているのかいないのか、ゴシゴシと背中を擦り続ける。
背中を這いまわるお雪の手の動きに、体がピクリと動いてしまったことを、
気づかれてしまっただろうか。心臓の鼓動が速く打つ中、背中を洗って貰い続ける。
お雪は、腰や尻に手を添えて、背中をゴシゴシと擦りつづけている。
そして脇腹を掴む様に、その手を添えている。
脇腹に当たる指の感触に、体が勝手にくねる。
「そこは触らないで下さい・・。」
その言葉が喉まで出かかったが、何故か声にならなかった。
お雪の片方の手が脇腹を揉む様に動きながら、もう片方の手の手ぬぐいで、
脇腹を擦り始めている。
自分で体を洗うのは、もうやめてしまっていた。
お雪が体を洗うのにまかせて、ぼうっとしてしまう。
お雪は、脇腹から脇、肩から腕、太ももと次々に洗って行く。
そして、柔らかな反対の側の手も、次第に伸ばして来るのだ。
反対側の柔らかな手が、お湯の効果なのかヌルヌルと体を撫でている。
「はぁ・・・。」
お雪の手の感触に自然と溜息が漏れる。
「あっ。」
小さく声をあげてしまう。
ピト・・。背中にぴったりと、お雪の体が張りついて来た!
柔らかい二つの胸の丘と、滑らかなお雪の腹部の感触まで、はっきりとわかる。
お雪は、後から抱く様に腕を回し、その手は腹や胸を擦り出した。
ゴシゴシ・・。後から抱くように体を洗われて、体が硬直してしまう。
『洗っているだけですから・・・』
お雪は、耳元で言う。
肩には、お雪の小さく尖った顎が乗っている感触がある。
お雪の匂いなのか、潮の香りにまざって甘酸っぱいような匂いがした。
お雪の手が内股を洗いはじめる。自分の息が荒くなっているのがわかる。
お雪の柔らかい体と手の感触に、目をつぶり、うっとりとしてしまう。
ザザー・・。桶に汲んだお湯が、背中から流された。
いつの間に体が離れたのか、お雪がお湯を汲んで背中を流してくれていた。
「はぁ・・・。」
なんとなく期待を裏切られた、残念な気持ちに小さく声を漏らしてしまう。
しかし一方で、いやこれでいいんだと、自分に言い聞かせる。
それでも股間は、やり場なく張り詰めたままだった。
◆
『お召し物は、洗ってそちらに置いてあります。』
お雪が裸のままで言う。
確かに、来る時に来ていた服が綺麗にして置いてあった。
洗ったというよりも、全く同じ物の新品の様に見える程だった。
一体どうなっているんだろう・・。
では、とお雪は一旦どこかへ下がって行ったが、着物を着ている最中に、
自分もちゃんと着物を着て、しずしずと戻って来た。
そのお雪に手を引かれ先ほどの部屋に戻ると、朝の寝具は、既に片付けられている。
『では、乙姫様がお呼びになるまで、しばらくお待ち下さい。』
そう言って、お雪は再び下がっていった。
サキュバス竜宮城 (1) 亀を助けるの巻
サキュバス竜宮城 (2) お雪登場。
サキュバス竜宮城 (3) 朝湯
サキュバス竜宮城 (4) 酒宴
サキュバス竜宮城 (5) お福
サキュバス竜宮城 (6) み月
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