2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

←ランキングに参加しています。

■この記事に拍手

サキュバス竜宮城 (3) 朝湯

朝、と言っても部屋が明るい訳ではない。
体の中がそう判断しているだけだった。
(厠・・。)用を足したくなった。
人を呼ぼうかと思ったが、好奇心が勝り、襖をそっと開けて部屋を出てみる。
ギョッとしたのは、そこでかしずいている女性がいたからだ。
お雪ではない、お雪よりも若い感じの別の女性だった。

『ご用ですか?』
もしかして、一晩中この場所で控えていたのだろうか。
厠の用を告げると、こちらですと案内してくれた。

途中、廊下から大きい庭が見えた。
昨日の海の中の事は夢だったのではないかと思う程、立派な庭園が広がっている。
このような庭が海中にあるとは思えない。空も白々と明けて来ている。

「ここは海の底なのでしょうか?」
恐る恐る聞くと、女性はにこりと笑うだけで、答えようとしない。
厠の後は、そのまま再び部屋に戻された。
部屋の寝具の上で、寝つけないまま、ただ時間だけが過ぎて行く。

               ◆

『おはようございます。』
しばらくすると、お雪と名乗った昨日の女性が、部屋にやって来た。

『ゆっくりお休みいただけましたか?』
にこりと笑顔を見せて聞いて来る。
もちろん、悶悶として眠れなかったとは言えない。

『朝のお食事の用意ができました。』
お雪に、再び手を引かれて部屋の外へと連れて行かれる。

案内された場所は、昨晩入った温泉だった。
明るくなって見た感じは、普通の岩場の露天風呂だ。
ただ、綺麗に晴れ上がった淡い水色の空に、太陽が無い。
やっぱり・・。それ以上、あまり考えないようにした。

お湯につかっていると、やはりお雪が靄の向こうからやって来た。
食事を載せた大きな桶もゆっくりと、ひとりでに泳いでやって来る。

白米の御飯に、一汁一菜。昨晩と大きい違いはない。
そして、昨晩と同じく、お雪と名乗った女性が、匙や箸で取っては食べさせてくれる。
しかし、粥ではないからなのか、咀嚼して口移しでは食べさせてくれなかった。
自分が、わずかながら期待をしていた事に、勝手に赤面する。

食事が終わると、桶だけが勝手にお湯の上を漂って、白い靄の中に泳いで消えて行く。

お雪は、そのままニコニコと笑顔を浮かべながら言う。
『お帰りになる前に、主の乙姫様がお礼を申し上げたいとの事です。
 申し訳ありませんが、お会いいただく前に、身を清めていただきたいのですが。』
と若干、申し訳無さそうに言う。

さすがにこれだけの丁重なもてなしを受けて、会うのを断る訳にもいかない。
昨日の出迎えの失礼な事も忘れて、言われるまま、身を清める事にした。

岩場にあがると、お雪も白い裸体を恥かしがる様子も無く、後について上がって来た。
こんなに露骨に見せられると、目のやり場に困るのだが、お雪は恥かしがる様子は全く無い。

『身を清めさせていただきます。まずは、背中を流させて下さい。』
お雪は、さも当然かのように言う。
主の乙姫様に会うという事もあり、断る事はできなかった。
何よりも、淡い期待もあり、お雪に背中を流してもらう事にした。

椅子に腰を降ろし、自分でも手ぬぐいで、体に付いた垢を落し始める。
温泉の成分の効果なのか、妙に手ぬぐいの感触がヌルヌルとする。
それでいて、垢がごっそり取れる。
そう言えば、昨日もお湯を上がった後は、肌がツルツルになっていた。

背中にも、ゴシゴシと擦る刺激がある。お雪が、背中を流してくれているのだ。
擦るために、肩にはお雪の手がそっと添えられている。
肩に感じるお雪の柔らかい手の感触。
細い指の形やピンク色の爪の先まで、閉じた目の裏に浮かんでくる。

ゴシゴシとやさしく背中を流されて、どうしても股間が緊張してしまう。
お雪は、気がついているのかいないのか、ゴシゴシと背中を擦り続ける。
背中を這いまわるお雪の手の動きに、体がピクリと動いてしまったことを、
気づかれてしまっただろうか。心臓の鼓動が速く打つ中、背中を洗って貰い続ける。

お雪は、腰や尻に手を添えて、背中をゴシゴシと擦りつづけている。
そして脇腹を掴む様に、その手を添えている。
脇腹に当たる指の感触に、体が勝手にくねる。
「そこは触らないで下さい・・。」
その言葉が喉まで出かかったが、何故か声にならなかった。

お雪の片方の手が脇腹を揉む様に動きながら、もう片方の手の手ぬぐいで、
脇腹を擦り始めている。
自分で体を洗うのは、もうやめてしまっていた。
お雪が体を洗うのにまかせて、ぼうっとしてしまう。

お雪は、脇腹から脇、肩から腕、太ももと次々に洗って行く。
そして、柔らかな反対の側の手も、次第に伸ばして来るのだ。

反対側の柔らかな手が、お湯の効果なのかヌルヌルと体を撫でている。
「はぁ・・・。」
お雪の手の感触に自然と溜息が漏れる。

「あっ。」
小さく声をあげてしまう。
ピト・・。背中にぴったりと、お雪の体が張りついて来た!
柔らかい二つの胸の丘と、滑らかなお雪の腹部の感触まで、はっきりとわかる。
お雪は、後から抱く様に腕を回し、その手は腹や胸を擦り出した。

ゴシゴシ・・。後から抱くように体を洗われて、体が硬直してしまう。
『洗っているだけですから・・・』
お雪は、耳元で言う。

肩には、お雪の小さく尖った顎が乗っている感触がある。
お雪の匂いなのか、潮の香りにまざって甘酸っぱいような匂いがした。
お雪の手が内股を洗いはじめる。自分の息が荒くなっているのがわかる。
お雪の柔らかい体と手の感触に、目をつぶり、うっとりとしてしまう。

ザザー・・。桶に汲んだお湯が、背中から流された。
いつの間に体が離れたのか、お雪がお湯を汲んで背中を流してくれていた。
「はぁ・・・。」
なんとなく期待を裏切られた、残念な気持ちに小さく声を漏らしてしまう。

しかし一方で、いやこれでいいんだと、自分に言い聞かせる。
それでも股間は、やり場なく張り詰めたままだった。

               ◆

『お召し物は、洗ってそちらに置いてあります。』
お雪が裸のままで言う。
確かに、来る時に来ていた服が綺麗にして置いてあった。
洗ったというよりも、全く同じ物の新品の様に見える程だった。
一体どうなっているんだろう・・。

では、とお雪は一旦どこかへ下がって行ったが、着物を着ている最中に、
自分もちゃんと着物を着て、しずしずと戻って来た。

そのお雪に手を引かれ先ほどの部屋に戻ると、朝の寝具は、既に片付けられている。
『では、乙姫様がお呼びになるまで、しばらくお待ち下さい。』
そう言って、お雪は再び下がっていった。


サキュバス竜宮城 (1) 亀を助けるの巻
サキュバス竜宮城 (2) お雪登場。
サキュバス竜宮城 (3) 朝湯
サキュバス竜宮城 (4) 酒宴
サキュバス竜宮城 (5) お福
サキュバス竜宮城 (6) み月
関連記事

←ランキングに参加しています。

■この記事に拍手

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

comments

comment form

管理者にだけ表示を許可する

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

twitter
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
FC2カウンター
プロフィール

LaDeM

Author:LaDeM
FC2ブログへようこそ!

ユーザータグ

フェチ 前立腺 肛門 人外 連作 ファンタジー SF 機械 

フリーエリア