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サキュバス竜宮城 (4) 酒宴

お雪という女性に、この屋敷の主人である乙姫様と面会するまでは、
帰らないで待っていて欲しいと言われ、ただぼんやりとしたまま、
部屋の中で時間を過ごすしか無かった。

どれ位待っただろうか。
『失礼します。』
お雪が部屋に戻って来た。
『乙姫様が、お会いなるそうです。』

一体どこをどう歩いているのかわからないが、かなり広いお屋敷の中を
お雪に手を引かれるまま、ぐるぐると長い事歩かされた。
この竜宮城という所は、迷路のように入り組んでいる。

歩いている途中、思いきって、お雪に聞いてみた。
「ここは海の中・・ですよね?」
『はい。海の底深くに、この竜宮城は建てられております。』
お雪は、笑顔で答えてくれた。
こうあっさりと答えられてしまうと、逆に返す言葉が無い。
廊下から見える景色は、空にお日様が無い事さえ除けば、地上と何ら代わり無い。
ここは、本当に海底なのだろうか?

そうして、ぐるぐると屋敷の中を歩いて通されたのは、明るい大きな広間だった。
お雪の様な侍女らしき女性達が、かしずいたままズラリと並んでいる。
その様子だけで、既にかなり圧迫感がある。
女達の甘い脂粉の香りが、もわっと部屋に立ち込めているような錯覚さえ覚える。

遥か奥の、一段上になった所に座っている女性が、乙姫様なのだろう。
御簾が下がっていて顔をよく見る事ができないが、その小さく見える姿は、
不思議な事に、背中から光が差しているかの様に輝いて見える。

乙姫様らしい女性が、側の侍女に耳打ちすると、その侍女がその又次の侍女へと耳打ちする。
伝言は、次から次へと伝えられて、お雪の耳まで届いたようだ。
『乙姫様が、お側に寄るようにおっしゃっています。』
お雪が、そっと耳打ちして教えてくれた。

座ったまま、ゆっくりと近づいて行くと、御簾の向こう側に、
空に溶けてしまいそうな透明感のある女性が座っているのがわかった。
これほど美しい女性は、今まで見た事が無い。
見るからに近づきがたい。素直にそう思った。

乙姫様のかなり手前の方で平伏すると、乙姫様が声を掛けてくれた。
『我が僕を助けてくれたとか。その礼に宴を催したい。
 すぐに帰りたいとは聞いているが、もう少し残ってくれぬか。』
その鈴のような美しい声に、ただ平身低頭で肯く事しかできなかった。

               ◆

乙姫様が催してくれるという宴を断る事も、当然できなかった。

歓迎の宴は、屋敷の中の大きな庭園で開かれる事になった。
乙姫様こそ、姿を現わさなかったものの、二人の艶やかな衣装の女性が脇について、
酒や食べた事の無いご馳走を甲斐甲斐しく口に運んで、世話してくれる。

お雪が相手をしてくれるのかと思っていたが、残念ながらそうでは無かった。
少し寂しい気分になったが、お雪という女性は、宴席での相手をするような位の
侍女ではないという事なのだろう。

相手をしてくれた女の一人は、見るからに肌の白い体つきの華奢な女で、
もう一人の方は、ぽってりとした唇の厚い肉感的な美女だった。

唇の印象的な美女は、お福と名乗った。
一方で、抜けるように肌の白い女は、名前を聞いても、にこりと笑うだけで
一言もしゃべらない。
肌の白い女の名前をお福に尋ねようとしたら、お福は頬を膨らませて、いじけてみせた。
『私よりも、そちらの女を選ぶのですね!』
「いや、そう言う訳では・・。」
『冗談で御座います。その女は、み月と申します。よしなに。』
お福がそういうと、み月という呼ばれた女は、手を口に添えて笑ってみせた。

そんな二人が、笑顔で酌や話の相手をしてくれる。
楽しい時間は、あっという間に過ぎて行った。

気がつくと空の色が、段々と黒さを増して行く。どうやら、日が暮れているらしい。
お日様が無いので、空の明るさだけが時を告げている。
庭にかがり火が焚かれ、手入れのされた庭園は橙色の光で照らされて行く。

女達の顔も炎で煌煌と照らされると、昼間とはまだ別の女のように見えた。

『そろそろ、あれを。』
お福の合図で、女達がぞろぞろと現れた。
女達は、戸板程の大きなもある巨大なまな板を幾つも運んで来る。
その上には、女が裸のまま寝そべっていた。
まな板に乗った女達は、ほんのりと顔を赤らめつつ、こちらをじっと見つめている。
そんなまな板が、目の前にどんと置かれた。

一体これは・・?

脇に控えているお福が言う。
『わかめ酒です。』
わかめ酒?
『そこに口を付けて、啜ってお飲みください。』
「えっ!?」
お福は、指し示したのは、女の下腹部の部分だった。
確かに女の股の部分に波波とお酒が、注がれているようだ。
よく見れば、酒の中に本物のわかめがゆらゆらと揺れている。

「ちょっと、それは・・。」
いくらお酒が入っているとはいえ、さすがにそれは、はばかられた。

『そうですか?おいしゅうございますのに。』
そう言って、お福は女の下腹部に口をつけて啜りはじめた。

ちゅるちゅるちゅる・・。
『あ・・。』
お福に吸われて、酒器役の女性は小さく声をあげ、顔を赤らめる。

その様子を見つめるお福の目は、怪しく光っている。
ぴちゃぴちゃぴちゃ・・。
お福は女の股に顔を埋め、音を立てて、股の間に注がれた酒を舐めている。
『あぁ・・。』
大きく吐息を声を漏らす、酒器の女。

『これ、声を出すなんて、はしたない。客人の前ですよ。』
顔を上げてお福が言う。
『申し訳ありません。』
酒器役の女性は、顔を真赤にしつつも、目に涙を浮かべて言う。
『ふふ・・。』
ちゅるちゅるちゅるちゅる・・。
お福が笑みを浮かべて再び口を付けると、酒器役の女は、体をもじもじとさせながら
必死に何かを耐えている。
『んん・・・んん・・。』
ちゅる・・ちゅるるっ・・ちゅるっ・・。
『ふふっ・・おいしゅうございました。』
顔をあげたお福の口の周りが、酒に濡れて光って見えた。

『本当によろしいのですか?』
お福は、頬を染めて、怪しげな瞳で見つめている。
言葉に詰った。
『どうかなさいましたか?』
「いや・・。」
『そうですか・・。では・・。』
パンパン!お福が手を打つと、女達は下げられて行った。

そして再び、新たに巨大なまな板に乗った裸の女達が運ばれて来た。
今度の女達には、食事がその体に盛り付けられている。

『女体盛りでございます。』
そういうお福の声が、遠い所から聞こえて来るようだった。
酒を飲み過ぎたのかもしれない。
鯛や平目等の刺身はもちろん、赤貝やさざえ等の貝が体の上に盛られて、
裸の女の大事な部分を隠している。

『ホラ、ここのあわびがこりこりして、おいしゅうございますよ。』
体の上に盛られた女性が、赤い顔をして、じっとこちらを見ていると思うと、
やはり箸が出ない。

お福が、あわびの刺身を一切れ取って、口に運んで来る。
『あーん・・。』
「あ・・。」
口にすると、確かに潮の香りがしておいしい。歯ごたえも、確かに感じるが・・。
でも・・、この味・・。

お福は、今度は胸の辺りの刺身を摘んだ。
女の肌が露になって行く。
『うふふ・・。』
ツン・・。お福は塗り箸の先で、女の胸の突起をわざと摘んで見せた。
盛り皿役の女は、口を真一文字に結び、顔を赤らめて耐える。
ツツツ・・・。
お福は、塗り箸の箸先を女の肌の上で滑らせる。
『んん・・。』
お福は、楽しそうに盛り皿役の女が悶える表情を見つめている。

そして、箸先が、あわびや赤貝の刺身で隠された秘所へと辿り付く。
ツン・・。
お福は、箸先で貝の刺身を摘んだ。
『きゃっ・・。』
女は、声をあげた。

『うふふっ。間違えたかしら・・。今のは、ごめんなさいね。』
そう言って、お福は箸を置きながら、こっちを見る。
何故かお福の顔を、まともに見られなかった。
「もう食べられない。」
そう言うのが、精いっぱいだった。

『そうですか?変ですね。まだ、ほとんど召し上がってないのに・・。』
箸を置きながら、お福は残念そうに言った。
『では、舞でも。』
そう言って、お福は、手を叩く。

すると今までの舞と異なり、肌も露な女達が幾人も現れた。
かがり火の明かりだけの薄暗い中。
庭に作られた舞台で、幾人もの女達が舞いを始める。
橙色の輝く、女の白い肌。
その体には、薄い桃色の布が申し訳程度に巻き付けてある。
しかし、その桃色の布でさえ、薄過ぎて下の肌が透けてしまっている。

女性達は、その布をくるくるとほどくと、布を蛇のように宙に舞い踊らせてみせた。
すごい・・。
薄い布が、生き物のように宙を舞っている。
そして、その薄い布が、女達の大事な場所だけは、何故かひらひらと隠してしまう。
女達は、秘所を絶妙に隠しながら体をくねらせて、艶かしい踊りを見せつける。
激しい踊りに女達の体には汗がじっとりと浮かんで、その肉体が怪しげな光を放ち始める。

女達は対になって、体を絡ませ合い。淫らな動きを見せ始めた。
あたかもそこで交わっているような・・・。そんな踊りだった。
女達は、声こそあげないが、口を大きく開けて、息をしている。

『あっ・・ああん・・。』
聞えないはずの嬌声が、耳に聞こえて来るようだ。

一瞬、手で目を覆った。その手には、べったりと汗がついた。
気がつくと、額が汗でびっしょりと濡れてしまっていたらしい。
『どうかなさいましたか?』
お福が聞いてきた。
「いえ、刺激がちょっと強かったようです。」
そう答えるが、お福の顔は、よく見ると楽しげに見えた。
『そうですか・・。これからが楽しゅうございますよ。』

お福の指差す方向を見ると、女達がこちらへと近づいて来る所だった。
女達は、ずらりと目の前に並んでいる。
汗に体を光らせた裸の女達が、まるで誘うような手つきで布をひらひらとさせ、
自分の周りをぐるぐると回り始める。
美しい体を見せ付けるように、くねくねとくねらせながら、周りをくるくる回る。

そして、顔のすぐ目の前を、桃色の薄絹がひらひらと揺れる。
女達の汗混じりの体臭が、その顔に触れんばかりの薄絹の布から匂って来るようだった。
体が熱い。目の前がくらくらする、酒を呑み過ぎたせいだ。
いや、本当に酒のせいだけなのだろうか・・。

『大丈夫でございますか?』
耳元で、お福の声がするが、天地がくるくると回っているようだ。
覗き込む、お福ともう一人の女が見える。
いや、覗き込む大勢の女達の顔がぐるぐると回っている。
どの女達も、満面の笑みを浮かべている。

ぐるぐるぐる・・・。ぐるぐるぐる・・・。

ぐるぐるぐる・・・。


サキュバス竜宮城 (1) 亀を助けるの巻
サキュバス竜宮城 (2) お雪登場。
サキュバス竜宮城 (3) 朝湯
サキュバス竜宮城 (4) 酒宴
サキュバス竜宮城 (5) お福
サキュバス竜宮城 (6) み月
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