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サキュバスの塔(5) サキュバスローパー

塔の頂上に捕らわれた姫を助けに、勇者がまた一人、魔物の巣くう塔を登っていた。

               ◆

ブイイイイインッ!!
虫の羽音の様な音が、近づいて来るのが聞こえる。
そして、その音がより大きくなると、目の前の廊下を巨大な火の玉が転がっているのが見えた。
火の玉という表現は、正確ではないかもしれない。赤く光る雷球のよう見えた。
フワフワと浮いて回転しているその球は、時折、壁や床に触れると、パチパチという音を立てている。

触ると危険だ!と、見てわかる代物だった。防ぐ手段は、無いように思われた。
煌く雷球に背を向けて、一目散に逃げ出す。雷球の速度は、それ程速くない。
しかも、姿を見て追って来ている訳では無さそうだ。

階段を見つけると急いで駆け登り、あの雷球からは逃げきれたようだ。
ほっと一息をつくが、油断はできない。
逃げきった階は、不気味に静かだった。今までの階は、何かしらの音がしたものだ。

しかし、よく耳を澄ますと遠くから声がする。
「・・すけて・・助け・・。」
どうやら、助けを呼ぶ男の声らしい。
この塔の中では、今までで、こんな事は一度も無かった。
もしかしたら罠かもしれない。

声のする方に、注意深く歩いて行く。
「助けてくれーっ!!」
その声は、だんだん大きくなる。

廊下を曲がると、その声がはっきり聞こえた。
ランプで照らすと、ぼんやりと人の姿が浮かんだ。
植物の蔓に絡みつかれたような裸の男の姿だった。
裸と言っても、体にわずかにボロ布や鎧と思われる金属片が残っている。
この暗闇の中で、植物が育つ訳がない。
蔓状のモンスターに捕らわれてしまったのだろう。

注意深く、モンスターと捕らわれた男に近づいてみる
裸の男の肌の上を、怪物の触手がぐにぐにと這っている。
その触手が通った後には、濡れて光る軌跡が残っている。
裸の男の体全体が、触手の分泌物でテラテラと光っているのだ。

「助けてくれっ!!」男は叫ぶ。
しかし、男の目には自分の姿は映っていないようだ。
男の目の焦点があってないのだ。
怪物の間近まで来た。
怪物はどうやら捕まえた男に夢中なのか、こちらには関心が無いようだ。

これなら怪物に勝てるかもしれない。
そう一瞬、頭を過ったが、無理に攻撃をしかけて、反撃を受けては何もならない。
触手に捕らえられている男には申し訳ないが、姫の救出が第一なのだ。

朦朧としたまま助けを呼ぶ男を後にして、次の階への階段を探す事にした。
再び、目の前に、触手に捕まっている男が姿を現わした。
同じ道をぐるぐる回っているのかと思ったが、そうではないようだ。
男は声を出していない。別の男だったのだ。
男は、ただ触手に絡まれて、体をピクピクさせている。
その真っ白い顔に、表情は見られない。

恐ろしい光景に、背筋がゾっとする。早く次の階へ逃げたいと思った。
自然と足が、駆け足になる。小走りで階段を探している間、
触手に絡みつかれた男が、廊下のあちらこちらにいるのがわかった。
この階で、怪物に捕まった勇者達の慣れの果てなのだろう。
自分だって、こうなるかもしれないのだ。その恐怖に、心臓の鼓動が早くなる。

探しても探しても、階段への扉は見つからなかった。
ビイイイイイインッ!!
下の階で聞いた、あの雷球の音が遠くに聞こえた。
そして、音は近づいて来る。それどころか、複数の雷球の音が聞こえるのだ。
駆け足で音から逃げながら、階段を探す。
音は近づいてこそ来ないが、遠ざかってもいない。

廊下を曲がった瞬間だった。
「あっ!!」
体に触手が絡みついていた。
あの怪物の触手が、優しく手足や胴や首に巻きついて来る。
そして雷球の音はどんどん近づいて来る。
もうダメだ。雷球が目の前で光っている。
シュワンッ・・・。雷球が、突如消滅した。
フロアに静寂が戻った。
残されたのは触手に絡みつかれた、自分の姿だけだった。

               ◆

全てが筋肉でできたような触手に絡みつかれて、どうする事もできなかった。
剣は手で持っているが、振りまわす事ができない。腰のナイフには、手が届かなかった。
怪物の触手は、ベトベトした粘液を出しながら、体中を這いまわっている。
気持ち悪いがどうする事もできない。気持ちの悪い、時間だけが過ぎて行く。
ボロッ。腰に止めてあった袋が落ちる。続いて、胸の鎧が外れて落ちた。
先ほどの男達との様子を合わせて考えると、どうやら触手の粘液で溶けているらしい。
ボロッ・・。ボロッ・・。時折、体から身に着けている装備が外れて落ちていく。
自分の体が、怪物の触手によって、次第に裸へと剥かれて行く。
露となった肌を、触手がぬるぬると舐めるように蠢いていた。

長い時間が経ったような気がした。不思議と腹が減らなかった。
それどころか疲れも無い。夢や幻覚を見ているのではないか、とも思った。
しかし、体には触手による拘束の感触がはっきりと感じられる。

今や、その触手はグニグニとイヤらしく蠢きはじめていた。
股を開かせて、肛門や会陰部を触手の先が撫で回している。
耳や口の中にも、細い触手を滑り込ませて、犯しはじめているのだ。
ヌチャヌチャといういやらしい音が、頭の中にこだまする。

「助けてくれーっ!」
男は、怪物に犯されて叫び声をあげる。
そういえば、怪物に捕まってから男は眠っていない。
もちろん眠れる訳もないのだが、果たして人間は限界が来ても眠らずにいられるものだろうか。

               ◆

男の目の前には、肖像画で見た美しい姫の姿があった。
匂うような美しさと高貴なオーラが出ている姫の姿。
忌まわしきこの塔に登っているのは、全てこの姫の為なのだ。

その姫がベッドの上で、男が来るのを恥じらいながら待っているのだ。
男がベットに忍び込むと、姫は既に裸になり熱い体で抱きついて来た。
男は、歓喜の表情を浮かべる。

               ◆

ハッと気づくと、男は怪物に捕らえられたままだった。
怪物の触手は、相変わらず体を舐めまわしている。
肛門を犯し、陰茎にまきついているのだ。
もし、夢の中で姫と寝所を伴にしてしまったらと思うと、ゾっとする。
怪物の触手の責めは、尚続いている。しかし、男の感覚は既に麻痺してしまっていた。
口の中や耳の中を触手がのたうちまわっても、何も感じなくなってしまった。
男はそう思っていた。

               ◆

美しい姫は、男の体に体を預けて来る。
小さなピンク色の唇と男の口に押しつけて来る姫。
男は溜まらず可愛らしい口に、舌を入れてしまう。
一瞬、びっくりしたように姫は戸惑うが、愛を持ってお互いの舌を絡ませる。
長い接吻が続く。男の心は満たされていった。

               ◆

男は、意識を取り戻すと、同じ夢の続きを見ていた事に愕然とする。
もしや、この怪物に夢を見せられているのではないかと、もう疑っていた。
そして夢で見た姫の唇と、今、口を犯している怪物の触手を想像して、
吐き出したくなるような嘔吐感に襲われた。

ゴボゴボっという音と吐瀉物を伴に、触手を口から吐き出した。
何も食べていないはずなのに、吐き出した量は結構あった。
口の中が酸っぱく感じる。
もう眠るまい。男は決意する。

               ◆

褥の上で、姫は露になった男の陰茎に、かわいらしい口を付ける。
小さい姫の口が男の陰茎を含むと、ぎこちなくその顔を動かしている。
美しい姫に、こんな事をさせるなんて・・。
そういう思いに、逆に男の陰茎が激しく膨張する。

もう男は、これが夢である事に気づいていない。

姫の舌が、男の陰茎をたどたどしく愛撫する。
「ああっ!!」男は溜まらず、姫の口の中へと発射してしまう。

               ◆

発射の瞬間、目が覚めた。陰茎には、舐められていた甘い感覚がまだ残っている。
いや、今もその感触が続いているのだ。
怪物の触手の先端が、管のように男の陰茎に吸いつき蠢いていた。
男は、怪物に夢を見せられているとはっきりと確信した。
しかし、男にはどうする事もできないのだ。

ただ、触手が股間から吸い出した精液を脈動して、飲んでいくのを見てる事しかできなかった。

               ◆

姫は顔を紅潮させて、男を待っていた。
男は、姫にそっと近づいて行く。

               ◆

男は怪物の触手を、恍惚の表情を浮かべて舐めていた。
もちろん、意識は夢の中にある。
触手を舐め、時には吸い。手の平は、触手を揉んでいる。
男は、それで歓喜の表情を浮かべているのだ。

別の触手が、男の陰茎に巻き付き、吸いついて、怪しく動き始める。
時を同じくして、男の腰がガクガクと動いている。
どれ位、男は腰を動かしていただろうか。
一瞬、体を硬直させると、体をぐったりとさせて。
陰茎に吸いついた触手は、男の精液をゴクゴクと吸い出している。
再び、男の腰が動く。痙攣する。触手はゴクゴクと精液を吸い出して行く。
これが一回の夢見で、繰り返されるのだ。

               ◆

男の心は打ち砕かれた。目を虚ろになり、力なく四肢は垂れている。
男の頭の最期の煌きは、ある事を考えていた。
食事をしなくなってから、どれ位経ったのだろう。1日だろうか、2日だろうか。
時間の感覚がおかしくなっている事もあり、よくわからない。
少なくとも腹が減っている感じは無い。

かと言って、力が抜けている訳でもない。
むしろ、塔を登っている時よりも、力がみなぎっているように感じている。
気のせいだろうか。
しかし、鍛えられた自分の体の事はよくわかっているつもりだった。
そして、男は絶望する。

怪物は、男を生かして精を搾り続けるつもりなのだ。
あの捉えられた男達は全てそうなのだ。
死ぬ事もできず、寿命が尽きるまで、夢の中でこの責めは永遠に続くのだ。

何故、あの時、俺は男達を助けてやらなかったのだろう。
男は悔やんでも悔やみ切れなかった。

ある時、男の前を一人の勇者が通り過ぎた。
助けてくれ!男は目で訴えたが、男は用心しながら、怪物を避けて行ってしまった。
男の表情は、あの時、自分が思った姫への打算の表情が浮かんでいた。

男は、夢の中へと逃避した。男は怪物の見せる夢の中で、姫と結ばれ王になったのだ。

               ◆

男は目をつぶったまま触手の快感に、打ち震えていた。
怪物の一本の触手が、男の肛門を出入りして、快感を与えている。
ゴボッ・・ゴボゴボ・・。
奇妙な音を立てて、触手が男の肛門の中に入り、脈打ちながらくねっているのが見える。
男は、一体どんな夢を見ているのだろうか。

陰茎を触手に吸いつかれて、肛門を触手に掻きまわされて、男は幸せそうな顔をしている。
口を犯している触手の端には泡が立ち、男の唾液が溢れて触手を伝って垂れている。

ビクビクッ!!
男の体が痙攣し、肛門がヒクヒクしながら精液を触手へと放出する。
男の肛門を犯している触手は、忙しく動いている。

触手が腸の中で、前立腺の辺りに吸盤で吸いつき、甘い刺激を送っているのだ。
じゅぽ・・じゅぽ・・。
陰茎に吸いついた、触手が激しく吸っている。
ビクビクと再び男は体を痙攣して、止めど無く精を放出している。
男の体がグッタリとするが、触手は動きを止めない。

グッタリとした男を無理矢理動かすように、触手は蠢いて男を責めたてている。
ピクピクと陰茎と肛門だけが痙攣する。触手は、男の僅かな精でも吸い出していた。

肛門と前立腺を責めても、精液が出ないとわかると、
怪物は触手をゆっくりと動かして、男を休ませた。
それはゆりかごのような、母性の感じる動きだった。
男は安らぎの表情を浮かべて、眠っている。

男の精が出なくなるまで、あと何年あるだろうか。20年、30年。
いや、もしかしたら40年、残り時間はあるのかもしれない。
その間、ずっと、男は怪物の触手に吸い出され続けるのだろう。
終わらない幸せな夢を見ながら。

END


サキュバスの塔(1) サキュバススライム
サキュバスの塔(2) サキュバスバット
サキュバスの塔(3) ゴーストサキュバス
サキュバスの塔(4) サキュバスナイト
サキュバスの塔(5) サキュバスローパー
サキュバスの塔(6) リザードサキュバス
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テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト

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