2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

←ランキングに参加しています。

■この記事に拍手

サキュバス竜宮城 (2) お雪登場。

助けた亀に連れ去られて、竜宮城へやって来たタロウ。
気がつくと、仄かに明かりの灯った暗い部屋の中、
赤い寝具の上で、寝かされていました。

               ◆

『お目覚めになりましたか?』
戸を開けて入って来たのは、清潔な感じの大人びた顔の女性だった。
暗い部屋の明かりに、着物姿と白い顔が浮き上がって見える。

『私は、この竜宮城の主でいらっしゃる乙姫様に仕える、お雪と申します。
 出迎えの者が大変失礼しました。先ほど、ちゃんと言い聞かせておきましたから。』
手をついてわびる女性。その姿に何も言えなくなってしまう。
「浜へは、返してもらえるんでしょうか?」
怖々、お雪と名乗る女性に聞いてみる。

『はい、後で別の者に送らせますから。今日は夜遅くなってしまったので、
 明日、浜までお送りします。』
丁寧に、女性は言う。

『何も召し上がっていらっしゃらないかと思います。
 ささやかですがお食事の用意ができておりますので、こちらへどうぞ。』
お雪と名乗った女性は、手を引いて別の部屋へと案内してくれる。
温かみのある女性の手の感触は、どこかほっと安心させてくれるものだった。

手を引かれて着いた場所は、部屋というより大きい岩場の温泉の様だった。
どう見ても、夜の屋外にいるようにしか思えない。
暗い浴場に、明かりがポツポツと灯り、白い湯気がたち込め、一層幻想的見える。

『このお湯につかってお待ち下さい。』
女性は、静かに下がって行く。

食事だよな・・・?
少し疑問に思ったが、女性に言われるまま、着物を脱いでお湯につかる。
若干、ヌルっとするが、潮のいい香りがするお湯だった。温泉だろうか。
手に取って少し舐めると、しょっぱい中に苦味を感じる。
海水由来の温泉なのかもしれない。
このお湯につかっていると、本当に体の芯からじんわりと暖まって来る。

「はぁ・・・。」
亀との遭遇から、今まで夢を見ているようだった。
温泉の心地良さに、口から溜息やうなり声が漏れる。

しばらく待っていると、靄の向こうから人影が近づいて来る。
真っ白な裸体で現れたのは、お雪と名乗った先ほどの女性だった。
「あっ。」
声を上げて、お湯から出ようとすると、
『お待ち下さい。』と女性は言う。
『お食事の用意をさせていただくだけですから。』
お雪と名乗った女性は、そう言うものの、
現れた女性が身に一枚も帯びていない、艶かしく光る裸体では、食事どころではない。

お湯の上を、大きな桶に乗って食事が運ばれて来る。
どうして目の前に、ひとりでに桶が泳いで来るのか不思議だった。

食事は、ご馳走という程のものではない。
粗末な粥と汁物と漬物だけだ。深夜だからだろうか。

しかし、お雪と名乗る女性が、その食事を取っては口に入れてくれるのだ。
お湯の下には、お雪の裸体があるのだが、それを恥かしそうに隠すでもなく、
平気な顔で箸や匙を持って、食事を食べさせてくれる。

お湯の中で、ちらちら見える、抜けるように白い裸体は、目の毒だった。
しかも、食べさせてもらうなんて。

最初こそ抵抗があったが、そういう作法ならば仕方無いと思うしかない。
すると突然、お雪と名乗った女性は、粥を口に入れて自分で食べ始めた。
あっけに取られたが、今度はその咀嚼した粥を、口を半開きにしてこちらに見せている。
もしかして、これを食えという事なのだろうか・・。

お互いにじっとしまま、時がゆっくりと流れて行く。
どれ位経ったろうか。お雪と名乗った女性はじりじりとにじり寄って、
腕を首に回してくると、半開きに開けた口をゆっくりと押しつけて来る。

甘く生暖かい粥が、女の口から、自分の口の中に流し込まれる。
不思議な事に、匙でそのまま食べるよりも味が旨くなっていた。
気のせいだろうか。
お雪は、パっと体を離すと、再びもぐもぐと粥を食べ、口を半開きに開いて待っている。
その様子を見ていて、自分の口が勝手に開いてしまっている事に気づく。
お雪は、再び近づいて粥をゆっくりと口に流し込んで来る。

しかし、お雪はそれ以上迫って来る事はしなかった。
粥や汁を口の中で咀嚼しては、ゆっくりと流し込んで食べさせてくれる。
気づいた時には、食事を終えていた。

『お召し物は、そちらに用意してあります。では、失礼致します。』
お雪は、そう言うと、靄の中に下がって行く。
お湯の中で複雑な気持ちのまま、しばしの間、ぼんやりとしてしまった。

               ◆

湯をあがると、新しい着物が用意されていた。
着替え終わるとお雪が現れて、先ほどいた寝室に再び手を引いて案内してくれる。

『では、明朝またお伺いします。』
お雪はそう手をついて言うと、部屋を出て行った。
寝具の中に入るが、先ほどのお雪の唇の感触を思い出すと、
まんじりともできない一夜を過ごした。


サキュバス竜宮城 (1) 亀を助けるの巻
関連記事

←ランキングに参加しています。

■この記事に拍手

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

タグ : フェチ  連作 

comments

comment form

管理者にだけ表示を許可する

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

twitter
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
FC2カウンター
プロフィール

LaDeM

Author:LaDeM
FC2ブログへようこそ!

ユーザータグ

フェチ 前立腺 肛門 人外 連作 ファンタジー SF 機械 

フリーエリア