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サキュバスの影

駅前から少し離れた暗い夜道。
街灯がポツリポツリとあり、時折、自動販売機が道を照らしている。

カツカツカツ。
(最終バスに間に合わなかったか・・・)
最後のバスに乗り遅れ、已む無く液から歩いて帰る事にした。

しばらく歩いていると、自分の前方にもう一人歩いている人がいる事に気づく。
コツコツコツ。どことなく軽い足音。女性かもしれない。
カツコツカツコツ。女性の足音と自分の足音が、微妙に同期する。
女性との距離が縮まる。女性はその足を速める。

(なんかまいったなぁ・・・。)明らかに不審に思われている。
酔っていた事もあり、ムキになって追い越そうと、こちらもペースをあげる。
カツカツカツ。女性の姿がはっきりと見えてくる。
地味目のスーツを来た、OL風の女性だった。肩まである髪が揺れている。

(もう少しで追い抜けそうだ。)
街灯の明かりで伸びた、女性の影を踏む距離まで近づいた。
つま先が女性の影に届く。女性は、立ち止まった。
急に立ち止まられて、ちょっとびっくりしたが、その脇を追い抜いて行く。

(フンフンフン・・)追い抜いて、気分をちょっとだけ良くする。
カツコツカツコツ。今度は、OL風の女性が、後を歩いているようだ。
その音に耳を集中させていたので、近づいて来る光に、気がつかなかった。
気がついた時には、車のヘッドライトのような2つの明かりが、目の前にあった。

「ウワッ!」光に包まれて、そのまま意識を失った。

               ◆

「ンハッ!」
あえぐように息をして目を覚ますと、何故か椅子に座っていた。
窓一つ無い、真っ白な壁のそれほど大きくない部屋。
正面からは、強いヘッドライトの様な光に照らされて、その奥は逆光でよく見えない。

その光の中に、人の姿がある。細かい様子は見えないが、髪の毛、ボディライン、
履いているブーツからすると、女性のようだ。

椅子から立ちあがろうとするが、足に力が入らない。
「すいませーん。」と、女性に声を掛けようとするが、声もでない。
ヒューヒューと、喉を風が通る音だけがするだけだった。

(なんでこんな事に・・・。確か駅前からバスが無くて、歩いてて・・・。)
そこから、ここまでの記憶は無かった。

『目が覚めたみたいね。』女性が、光の中から声をかける。
相変わらず、その姿は逆光で、光の中に真っ黒いシルエットを浮かばせるだけだった。
セットされた髪、大きい胸、引き締まった腰、大きく張った臀部、
長い足にヒールの高いブーツ。女性である事を強調しているかのような姿だ。

時折、ブーツの部分でテカテカと反射する光が、そのブーツの素材を物語っている。

『影踏みっていう遊び、知ってるかしら?』
女性はいきなり質問をして来る。さっぱりわけがわからない。
女性は、言葉を繋げる。
『影を踏んだら終わり。鬼は交代するのよ。』

(影・・・。そういえば・・・。)
ふと、女性の影がこちらに向かって伸びている事に気づいた。
コツコツ。女性が近づいて来る。その影も女性に合わせて、近づいて来る。

女性が手を突き出す。
『影絵って不思議ね。』女性の手が、自分の胸に投影される。

細く伸びた指先が、自分の胸の辺りで像を結ぶ。
女性は、見せつけるように指をくねらせる。

ゴソゴソ。胸のシャツが音を立てる。

(??)
女性の手の影が動く度、そこに手があるかのように胸のシャツが動くのだ。
女性の手が空を撫でる。伸びた影が胸を触り始める。

(ああっ!?)
乳首と、その回りを撫でられる感触が起こる。
女性が手を握ると、自分の胸も鷲掴みされているような指の感触が、胸に伝わる。

『何もされてないのに、どうして悶えてるの?』
女性は、いじわるそうに笑って言う。

(何もされてないのに、何かされている・・・)
女性の両手の影が、胸に映り、その影が脇腹や、腕等の敏感な部分を刺激する。
『影が動いているだけなのに、感じるなんて、変態なんじゃないの?フフ・・』
女性の手が胸から腹、腹から更に下へと下がって行く。

(あうっ。)
女性の手の影が、股間に映し出されている。
女性の指がいやらしく動くと、ズボンの下の陰茎も、イヤらしくしごかれている。
ズボンが明らかに膨らんで、勃起しているのがわかるようになる。

『あら?勝手にチンポを大きくしてどうしたの?』
女性の口からは汚い淫語が、吐き出される。
女性の指が輪を作り、スボンの上に環状の影を作り前後させる。

(あああっ!!)
陰茎のカリ首が、女の指の輪で擦られている。
陰茎の奥が発射しようとググっと、次第に発射態勢に入って行くのがわかる。

『どうしたの?イキそうなの?』女性は笑うように尋ねる。
(あぁ・・おかしい。もう・・出ちゃいそう・・)

ビュワッ!
股間に快感が走ると、しばらくして冷たい感触が腿に感じる。

『もう漏らしちゃったの。まだまだこれからなのに。』
女は、笑いながら言った。

               ◆

コツコツ。女は、すぐ側まで近づいて来る。

すぐ目の前にいるのに、その姿がはっきりとしなかった。
いや、輪郭はしっかりとあるのに、真っ黒にしか見えない。
まるで、影そのもののような・・・。いや、そんなはずは無い。

女は、自分が座っている椅子を掴んで、ぐるりと回した。
自分が向いた方には、白い壁がある。
背後からの光で、白い壁には、女性と椅子の影が映っている。
女性は背後で黙ったまま、左右に歩いている。
カツカツカツ。ブーツの音だけが、耳に響く。

(・・・。)

女は、何かを待っているようだ。一体何を待っているのか。
ふと、その影に違和感を感じる。ハッと下を見る、自分の影は無い。
もちろん正面にも影が無い。女性と椅子には影があるのに、自分だけ影が無いのだ。

『あら?あなたの影、どこ行っちゃったのかしら?』
(おかしい。オカシイ。オカシイ・・・。)頭がぐるぐると回る。
『あ、来たみたいよ。』女が背後から耳元に囁く。

女の反対側から、男の姿の影が歩いて来る。
男の姿が来ると、女性の影は親しげに手を回し、キスをする。

口の中に、いやらしく舌が挿入される感覚がある。
舌を舐られ、唾液を流し込まれている感じがした。自分の口から涎が垂れる。
それでも、その淫靡な影絵から目が離せない。

女の影は、影の男の顔を舐めている。ベロリベロリ、頬に冷たい濡れる感触。
女の影の手が、影の男の胸と重なる。再び胸がまさぐられる。
女の舌が、頬から耳に移る。自分の耳を舐められる感触に、体がビクンと反応する。

『この影絵は楽しいかしら?』女の手が、影の男の股間に伸びて行く。
(あぁっ。)再び陰茎へ刺激が始まる。影の男の陰茎が屹立する。

『もう、ちょっと楽しくなるわよ。』
女は男の影の背中を押し、四つんばいになる事を促す。
男の影は、それに素直に従う。

(ちょっと。何をするんだ。)そう思ったがどうする事もできない。
女性の影もしゃがみ込むと、指先を男の尻に重ねて行く。
ヌル。肛門から侵入する指先の感触。女の指だ。そう直感する。

(ああっ。)
女性の腕の影が、激しく動いている。
肛門の中の指先も、同じ様に激しく動いていた。
前立腺を嬲られているのだ。

(ああっ。ああっ。)
肛門の奥の方が熱い。体の中から押し出されるような快感が、陰茎へ走る。

『お尻の穴、気持ちいいの?
 でも、触られても無いのに気持ちいいなんて、不思議ねぇ。』
もう一本の女性の影の手が、男の影の股間を辺りをまさぐる。
(これじゃあ・・・またイカされてしまう・・・。)

前立腺と陰茎をダブルで刺激されて、もう発射寸前だ。
『ホラ、激しく出しなさいよ。』
女性の手が発射を促すように、一段と激しく動いた。

影の男は、体をのけ反らして、陰茎の先から液体を発射する。
男の影は、ビクビクと体を痙攣させながら、その色がスーっと薄くなる。
そして、男の影は、その主の元に戻って来る。

ズボンには、精液で濡れた、大きい染みができていた。

『サキュバスの影を踏むと、こうなるのよ。覚えておきなさい。』
女が耳元で囁くと、猛烈な眠気が襲う。

               ◆

肌寒さに目が覚めると、駅のベンチで寝てしまっていたようだ。
頭が痛いし、気分も悪い。泥酔していたのかもしれない。

嘔吐したのか、ズボンも濡れている。何か悪夢を見たような・・・。
でも、もう思い出せなかった。何もかも。

いや、影を踏んではいけない・・・。頭の奥で、何かが囁いた気がした。

END
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