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天井のサキュバス

いつの頃からか、天井に染みがある事に気づいた。
最初は、ほんの小さな茶色の染みだった。
その染みは、少しずつ大きくなっているようだった。
部屋の明かりを落としても、ボンヤリとその姿が見えている。
人の形みたいだ、眠る直前の刹那、そんな事を考えていた。

               ◆

天井の茶色い人型の染みから、抜け出すように、人影がゆっくりと降りて来る。
その姿は、長い黒髪、豊かな胸、なめらかな腰、細く伸びた手足を持つ女性の姿で、
何故か長くうねる尻尾もあった。

雲か霧のようにフワフワと、その女の影は、ゆっくりと降りて来る。
重さを感じさせないような空中での動き、向こうが透けて見える半透明の姿。
(幽霊!)驚いて口を開けるが、喉が詰まったように声が出ない。
耳も良く聞こえない。まるで耳に水が入っているみたいだった。

女性は手を前に突き出して、迫って来る。
その半透明の姿に相応しく、手はベッドをするりと突き抜けて行く。
そして女性の顔と胸が、ゆっくり近づいてくる。

女性の顔は、本当に人間がそこにいるかのような質感で、頬と頬が触れた。
耳には、女性の息遣いまで聞こえている。

女性の膨らんだ胸は、着ている寝巻きが存在しないかのようにすり抜けて、
胸と胸が相対し、実体を伴ってムッチリと胸に圧し掛かった。
そして腹の重み、下半身に跨る腰と足の付け根の繁み。女性の全てに、実体がある。
足は、折り曲げて脹脛を捕らえている。手も背中を抱き、服を着ているのに、
まるで、裸で抱かれているような気がする。いや、抱かれているのだ。

女性の肉感的な感触が、股間を刺激する。
腰をくねらせ、手で体をまさぐり、足を絡ませる。
その濡れて光る唇からは、熱い吐息が顔に吹きかけられ、
そして体は、女性に強く抱きしめられている。

それを自覚しているのに、体を動かす事ができない。
しかし、股間だけは充血をはじめて、内側から張り詰めている。
女性の繁みの感触が、自分は裸なのか、そうでないのか、頭を混乱させる。

女性は、手で陰茎を掴むと、ゆっくり腰を落とし、自らの繁みの奥へ導いて行く。
チュプ。濡れた秘裂に、ずるりと陰茎が飲み込まれる。
(ああっ。)男の脳は、快感に燃える。
どういう事なのか、半透明の女は衣服が存在しないかのように、
男の陰茎を咥え込み。この世のものではない、快感を与える。

時には、羽毛が触るようにやさしく、時にはねじ切るように強く、
陰茎が女の繁みの奥で弄ばれている。
そのくせ、その根元を強く締めつけ、その発射を許さない。

女は顔や体、手足をピッタリと密着させて、男を抱きかかえ、微動だにしない。
ただ、女の鼓動や息づかいは生々しく感じられる。
女が全く動いていないのにも係らず、陰茎を吸い込み、しごく動きは、
次第にその激しさを増して行く。女の体は、一体どうなっているのだろう。

ジワーと、熱いものが股間の奥からこみ上げて来る。
しかし、女性の締め付けが厳しく、筒先から出す事を許してはくれない。
男は、快感と放出できない苦しみに悶える。

女性は、その表情を見ると、満足な顔をして淫猥に笑う。
グチュ。女性の腰が振られる。と同時に、発射を許すように締めつけから解放される。
熱い汁が鈴口から溢れだし、陰茎を滑らかに動かす為の潤滑油へと変わる。

グニュグニュ。
女性は、体を密着させてままで、その腰だけをゆっくり動かしている。
腰が胴から離れているのか、もしくは別の生き物のように活き活きと、
激しく陰茎をスライドして擦っている。
グニュッグニュッ。
遠くで聞こえるグチュグチュという粘液の音と、耳にかかる熱い吐息に、
今、この女に犯されているのだという考えが、頭の中に渦巻く。
恥辱と興奮で、頭の中が焼ける。

グググと股間の奥の方で発射態勢に入るのが、自分でもわかる。
腰の辺りが、ジワーンと快感に痺れる寸前だった。

女が発射を促すかのごとく、小刻みを腰を振った。
(あああっ。)男は快感に、体を悶えさせた。しかし、体は動かない。
それが一層、男の脳を熱くする。
ビュワーッ!!筒先から精液が、勢い良く溢れ出す。ドクン・・ドクン。
女の体へ吸い込まれるように、発射した液体が消えて行く。
体の上に重さが消えて行く。空に溶けるように、女の体は霧散した。

男は、命令されたかのように目を閉じた。

               ◆

ハッと、疲労感と共に目が覚める。不思議な夢だった。
決して、嫌な気分ではなく、むしろ頭はスッキリと目覚めた感じだ。
ただ、朝なのに疲れが取れてない感じはする。

天井の染みは、昨日よりも、より人の形に近づいたような気がする。
茶色の染みでできた体の線は、やはり艶かしく見えた。
もし、今夜あの夢をまた見たら・・・。胸の鼓動は、なかなか収まらなかった。

END
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